トップページ 各地に広がる広がる10YR 見つけた10YR 今ほしい10YR 10YRを買う 環境色彩イベント リンク

 

 












 環境色彩の問題




原色を多用した商業施設、街並み景観を混乱させるとともに、手前にある緑がくすんで見える




日常目にしている風景には目立ちたがり屋の色があふれている




舗装材は生活風景を支える“地”の色(ミラノ)




公共空間の色彩に統一感があると、沿道の緑が印象的に映る(横浜)



 



都市に溢れる色彩

日本の都市には多くの色彩が溢れています。
企業が掲出する屋外広告物は巨大化し、原色を使って誘目性を競っています。バスやタクシー等の公共交通にも広告の掲出が認められるようになり、都市内を動き回る広告物も増えました。鮮やかな高彩度色で塗装した建築物もよく見掛けます。



景観を混乱させている

公共の色彩

このような鮮やかな色彩は民間側がつくる広告や建物ばかりでなく、公共側のデザインにも現れています。道路の舗装には毎年新しく開発されるインターロッキングブロックやカラーアスファルト、着色平板等が使われていますが、地域の個性を強調するといった理由で、結構鮮やかな色彩で路面を飾った例も多く見受けられます。
川や海に近い道路は水の爽やかなイメージを演出するためか、青い波型パターンがデザインされ、緑道は緑に塗られます。道路は連続して繋がっていますが、管理主体によって、あるいは施工年度によって、異なる色彩、異なる模様が使われ、脈絡なく分節しています。

またこれまでほとんど無彩色しか使わなかった車道も、派手な青い砕石をアスファルトに混入し、あるいは停車禁止を強調するために舗装を赤く着彩した交差点部の舗装もよく見られるようになりました。

防護柵や照明ポールに地域の名産品等を表現する例も多く、装飾された防護柵や照明ポールの色彩は道路面とは関係なく不調和な色彩が選択されています。地域の個性を表現することは悪いことではありませんが、安易にデザインすると道路空間の調和は崩れてしまいます。
道路空間には安全性が求められるため、停車禁止区間を明確にし、交通を円滑にすることは重要ですが、周辺との色彩関係を調整せず真っ赤に塗装するとそこだけが目立って景観は混乱してしまいます。




環境色彩のあるべき姿

欧米の都市を見ると道路の舗装は日本ほどには凝っていないように感じます。そこでは道路の路面も防護柵も都市景観を支える背景であり、目立ち過ぎるということがありません。
都市の景観を向上させるために様々な工夫が必要であるとは思いますが、周辺との関係を考えずに装飾し過ぎることには多くの問題が潜んでいます。



建築や道路の慣例色

建築や道路には多くの人が違和感を持たずに受け入れられる色彩があります。日本の建築外装を測色したデータの蓄積から日本の建築物の外装色はYR(イエローレッド)系やY(イエロー)系の中・高明度、低彩度範囲に分布が偏ることが分かってきています。

このような色彩は日本人が永い時間を掛けて育ててきたものです。最近の新建材はどのような色彩でもつくることが可能になりましたが、それでもよく売れている色彩は穏やかな低彩度の範囲に集中しています。日本の建築外装が慣例色として使い続けるYR系やY系の低彩度色範囲は、同時に日本の自然界の基調色でもあり、石や土や砂や木の樹皮の色彩範囲と一致しています。このような色彩群の中心となっている色相は10YRの彩度3以下の領域にある穏やかな色です。